(ハイパープレイステーション2・9月号に於いて掲載されたものより転載いたしました) その3・『ホラーアクションアドベンチャー』とは? ゲームはアクション要素も高い、そのシステム概略とは? |
---次に気になるのがゲームのシステムですが、 どういう形で進めていくのですか? |
菊地 「ゲームの進め方は章仕立ての構成になります。 深紅が歩き回るのは氷室邸の中なんですが、ひとつの章ごとに、 深紅が屋敷を探索する中でキーとなるアイテムを見つけることで、 長い歴史を持つ武家屋敷ならではの仕掛けのあるストーリーを追っていく アドベンチャーゲームですね」 |
---長い歴史ならでは……。 |
菊地「きっと氷室邸には、屋敷が存在していた時代時代で、 いろいろなことが起こっていたんじゃないですかね?(笑)」 |
---なるほど。屋敷の時代的な背景にも、霊感の強い深紅が かかわっていくことになりそうですね?全体では何章くらいの物語になりそうですか? |
菊地「なにせ広い屋敷が舞台となりますので、1章あたりのプレイ時間も けっこうボリュームがあります。なので今のところは数章を予定しています」 |
---そして、さらに気になるのが、カメラを使った霊との戦闘ですね。 こちらはどういったシステムに? |
菊地「カメラは武器ということになってますが、戦闘のほかに、カメラは アドベンチャーの探索アイテムとしても使用します」 |
---探索にも? |
菊地「カメラを使って気になるものを撮影すると、その写真に何かが 浮かび上がってくる。心霊写真のような感覚で、謎解きのヒントが得られます」 |
---通常のアドベンチャーのように、カギなどのアイテムを探してゲームを進めていく要素は? |
菊地「それももちろんあります。そのアイテムのありかのヒントが、 写真でわかるようになってます」 |
---そして肝心のカメラを使った戦闘システムについてですが? |
菊地「ジャンル名を見ていただければわかると思いますが、 このゲームは、ただのホラーアドベンチャーではなく、 ホラー”アクション”アドベンチャーなんですよ。ですから、 戦闘シーンはかなりアクションに比重を置いたつくりになっています」 |
---とはいうものの、カメラでアクション、というシステムが はっきりと想像つかないんですが……。 |
菊地「基本的には、様々な攻撃を仕掛けてくる霊の姿をカメラのファインダー からのぞいて主観視点で追い、タイミングを狙ってシャッターを切る、 そして霊魂をフィルムに焼きつける、という戦闘方法になります」 |
---霊が深紅に向かって攻撃してくるんですね? |
菊地「霊というのは、素材として扱うのに非常にデリケートな面白い存在だと思います。 しかも、もともとは実体がない。壁から出てくるかもしれないし、 どこかに浮遊しているかもしれない。ただハッキリしているのは、 彼らはもともと人間だったということです。何か成仏できない理由があって、 意志を持ってそこにいる。ですから、恨みのある霊は誰かを見ると攻撃してくるだろうし、 そうでない理由で存在している霊は、行動も異なってきますよね」 |
---霊の行動もそれぞれなんですね。 |
菊地「そこの部分も、このゲームの骨格となる要素のひとつですね。 霊たちを相手に、深紅がカメラを持って彼らとなんらかのやりとりをし、 彼らの姿をフィルムに焼きつけていく。そこがアクションの駆け引きとなってきます。 一度の撮影ではとらえきれない霊もいますので、アクション要素は比較的高くなると思います」 |
---そんな霊が住んでいる屋敷は嫌ですね(笑)。 |
菊地「僕も嫌です(笑)。ただ、霊に関しては、企画を出した柴田と僕の間での ひとつのこだわりがあって、”絶対に霊をザコキャラ扱いしないでおこう”と決めたんですよ。 これも『刻命館』シリーズからの流れなんですが、一体一体に設定をつくってあげて、 敵にも感情移入できるようにしようと。そこでもストーリーの深みを出せたらいいと考えています」 |
---ほかに『Project 0(仮)』でのこだわりは? |
菊地「深紅の服の色には意味があって、このゲームのテーマカラーの 白と黒と赤なんです。白は”光”、黒は”闇”、赤は血からイメージされる”生命”を表す。 画面でもこの3色を強調していますね」 |
---セピア調の画面も含めて、精緻なビジュアル演出も恐怖感を一層倍増させそうですね。 |
菊地「セピア調の画面に関しては、ストーリーの進行にかかわるシーンで登場することに なっていますので、その画面切り替わりシーンの面白さも、みなさんに楽しんでほしいと思います」 |