インタビュートップページ 前作の大ヒットを受けて 読み応えのこだわり ゲームならではの事件現場
前作の大ヒットを受けて

設楽:

西村先生、前作に引き続いて今回もありがとうございました。

西村: 好評だったようで、何よりです。

設楽: おかげさまで、2008年9月の時点で出荷22万本という実績を残すことができました。10〜20代のゲーム世代はもちろん、30代をピークに、60〜70代の方々にまで支持されました。ご購入者様のアンケートでも続編を希望される方が多く、本当にうれしく思っております。




西村: うちの奥さんもはじめてゲームをやったのですが、ちゃんとクリアしてましたよ。タッチペン1本で押すだけでゲームが進められるので、誰でも手軽にできるのがいいですね。推理小説を読むように、夢中になっていましたよ。

設楽: 操作は簡単でも、ストーリーは重厚な本格サスペンスですからね。それにより、小説好きの女性にも広く楽しんでいただけたようです。

西村: 私は普段からゲームをする方ですが、やり応えありましたよ。映像も写真のように美しく、音楽もドラマチックでした。特に、推理シーンや犯人を追い詰めるシーンの音楽は、臨場感ありましたね。2時間ドラマに参加しているような気分が味わえるんじゃないでしょうか。幕間に出てくる「京太郎くん」のキャラクターは、ちょうどテレビコマーシャルが入るような感じでしたね。京太郎くんは、周りの人からかわいいと評判でうれしかったです。そっくりだと言われるんですよ、似てますかね?




幕間に出てくる「京太郎くん」








設楽:

こう言ってはなんですが、先生のほがらかなお人柄があらわれていて、似ていると思います(笑)。お気に召していただいて良かったです。

西村: 私も好きなんですけどね。あの、2頭身なところがいい。動きもコミカルでいいですね。小説にも出したいくらいですよ。

設楽: 小説だったら、どんな役柄ですかね?

西村: 殺すほうかな、殺されるほうかな。自殺するとかね(笑)。いや、でもあれはゲームならではの手法ですね。小説でも、読者にずっと飽きさせないために、ここで休ませようとか、そろそろ泣かせようとか、いろいろと波を作りますが、京太郎くんは出せないなあ。小説だと自分で読むのを止められるし、テレビドラマだとコマーシャルが入るけど、ゲームだとずっとやり続けてしまうでしょう?そこで、京太郎くんです。緊張感のある中での、リラックスできる瞬間。あの緩急があるからこそ、本編の重厚感がさらに際立つのではないでしょうか。

設楽: 確かに、その意味でも京太郎くんは大活躍していましたね。少ししか出ないのに、とても印象的だとよく言われるんですよ。

西村: DSは、2画面あるのもいいですよね。上では現場全体が見渡せて、下では注目すべきポイントがアップで見られる。自分が事件現場にいるような気分に浸れますよ。さらに、次に調べるものや行くべき場所を教えてくれるサインもある。「ほら、後ろ後ろ!そこ!」なんて教えてもらっている感じでした。本当に、親切な設計でしたね。幅広い世代に受け入れられた理由がわかりますよ。

設楽: 今回の続編では、親切設計はそのままに、難易度を調整できるようにもしたんですよ。他にもいろいろと改良しています。以前は、遠くまで場所移動する際には、駅やロビーをきちんと経由していたのですが、それをストレートに移動できるようにしました。会話を読み飛ばしてしまったときには、後ろに戻って読み直せるようにもしました。これらにより、さらにスムーズに楽しめるようになったと思います。もちろん「2」からはじめていただいても、お楽しみいただけます。

西村: それはいいですね。内容は緩急つけて盛り上げて、機能はスムーズで。

設楽: 先生は、普段小説を書くときには、読者をひきつけるためにどんな工夫をされているんですか?

西村: 日本人って欲張りでね、ただ楽しいだけじゃ駄目なんですよ。例えばね……。

その答えは、次回『読み応えのこだわり』に続く!!

第2回 読み応えのこだわり