ソフトバンク パブリッシング(株) 週刊ザ・プレイステーション2
12月21号に於いて掲載されたものより転載いたしました

『零〜zero〜』が生まれた理由(下)

ギリギリまで引き付けて怖いのを我慢して倒すんです

---キーアイテムとなる「カメラ」ですが、コレを武器として使用するという案は
最初からあったのでしょうか。またほかにも武器はありましたか?
柴田「最初は倒せないから懐中電灯でひるませて逃げる、という話もあったり、
倒すのもお札を貼ったり破魔矢を使ったり、とアイデアは多く出ていたんですが、
「ギリギリまで引き付けて、怖いのを我慢して倒す。
これが今までのホラーに足りなかった部分だ」
というコンセプトのもと、
それに合う武器がカメラだったと。
カメラは心霊写真だったり、真ん中に移ると魂を抜かれる、といった伝承も多いし、
やはり霊的な何かがあるのかも、といった部分も大きかったですね。
あとは「新しいものを作るのであれば、今までにないコンセプトを」
という部分にも合致していましたしね。」
---カメラのカスタマイズという要素も最初から?
菊地「主人公が成長する、という要素がないので、戦闘のフィードバックをカメラに持ってきたんです。」

怖さを超えたときの居心地を表現できたと思います
---イベントの演出の面でもかなり怖さにこだわっている部分を感じ取れましたが。
菊地「柴田の感性によるところが大きいですね。ただすぐ暴走しがちなんで、
僕がそれをなだめるといったことも多かったですね。」
柴田「ホームページにも載せてますが、自分の恐怖体験が元になっています。
あとは夢で見たこととか。」
菊地「たとえば最初は霊の動きを伝え切れなくて、柴田がモーションキャプチャーをしたときもあって(笑)。
さすがにそれはまずいだろうと、専属の人間にやってもらいましたが。
一事が万事、この作品は柴田の細かいチェックが入ってますね。」
柴田「音とかもこだわって、擬似サラウンドで音の方向や位置も伝わるようにしてあるので、
ヘッドフォン着用で部屋は暗くして遊んでほしいですね。」
---では最後に、発売に向けてのユーザーに対してのメッセージを頂けますでしょうか。
長谷川「映像的に頑張ったのが暗闇で懐中電灯を照らして探索する怖さですね。
霊との折り合いをとりながら光と影のバランスも綺麗に表現できたと思うので、ぜひ見てください。
柴田「なんか変な話、「居心地のいい暗闇」とかいうのがうまくできた作品ですね。
いろいろな要素を盛り込んだので長く遊べるんじゃないかと思います。
とにかく末永く付き合ってください。」
---居心地といいますと?
柴田「ちょっとおかしな話かもしれませんけど、遊園地の幽霊屋敷とかじゃなくて、
実際の心霊スポットなどの居心地のことなんです。
ああいう場所ってどういうわけか居心地がいい気がするんですよ。
長谷川「それ、絶対おかしいですよ。」
柴田「落ち着くというか、とにかく心霊スポットにあるような独特の雰囲気が結構出せたんですけどね。
ずっといると、ある一線からふと居心地がよくなって、裏側に引き込まれて行ってしまうという、
そういう雰囲気がゲーム中にも出せたと思います。」
菊地「ホラーゲームとしてもアクションゲームとしても十分楽しめる作りになってますんで、
それぞれの楽しみ方をみつけてほしいなと思います
---本日はありがとうございました。
 

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