第七夜10月26日 |
ディレクターが語る、「今だから言えること」その2
ではしばしお付き合いください。 |
これで「今だから言えること」は終わりです。もしかしたらまだ続いていくのかもしれませんが、私にとってはこういう"ありえないこと"はもはや日常の中に溶け込みつつあります。ネタとして出していく機会もしばらく無いでしょうが、これからも収集は続けていくつもりです。 ここまで読んでくださってありがとうございました。
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そのついでにもうひとつ。 これは霊体験でもなんでもない、ある日の夢なのですが、どうしても書き残しておきたくなったので、お時間のある方はどうぞ…(これもネタバレになりますので、エンディングを迎えた方のみご覧下さい)
あのまま手をつかまれていたら、私はもう目覚めなかったのだろうか。それとも、またいつもの悪夢だったのだろうか。それはわからない。 ただ、最後に自分が叫んだ言葉は鮮烈に覚えていた。自分が言ったのに、自分が考えていったのではない、妙な感覚があったからだ。
もし、私も死んでいたら、Mおばさんと私が共有した時間は、だれも知らない、無かったことになるという単純な事実。そうなると、Mおばさんは完全に死んでしまうことになる。
このゲームの主人公・怜にとって、生きる痛みは結局は和らぐことは無いけど、優雨を失ったことこそが生きる理由だと気づくところや、怜は優雨と一緒に逝きたいけれど、怜ひとりの死が、その人の中にいる死者たちも生きる者も殺してしまうという優雨のメッセージは、はっきりとは語られないまま、ユーザーに投げています。 ただ、私は、この夢の話をいずれどこかでしたかった。そして、こんなことを考えながらゲームを作っていたんです、という独り言のようなつぶやきで終わりたいと思います。 それでは、ごきげんよう。 Project ZERO ディレクター 柴田 誠 |