某月/某日(日)
夜中4時頃、突然強い力で手を握られて目が覚めた。
かなりほっそりとした指の人だということはわかったが、暗くてよく見えない。
私は横向きに、両手を胸の辺りに置いて寝てたのだが、その手は、明らかに上の方から、つまり布団が開いている方から握ってきていた。
目を開けるとそこには誰かの腕が…となるはずだったのだが、残念ながら何もない。
握られている感触からすると、指は細く、手は小さい。ちょうど、小柄な女の人か、子供の手のようだ。しかし、異様なまでの力だった。
しかも、指は冷たい上、その力はだんだんと強くなってくる。
「いたい、いたい」
大きな声を上げて、布団の中を見ようとすると、手はスッと引いていくのがわかった。
引いて行く相手の指先の感覚がわかるほど確かな感覚だった。
布団の中を見ると、何もない。
ただ、その指の感触だけが次の日まで残った。 |