音響演出について

今回のプロジェクトがスタートした時、
サウンドのコンセプトの一つに「立体音響」があった。
当初はどのようにして立体音響をユーザーに
感じさせるかに苦心した覚えがある。

色々な市販のツールやサードパーティのミドルウエアを試したりした中でARNISサウンドテクノロジー社を選んだのは、
ゲームの性質上、左右の音の3D的な移動感の重要性を
考慮したからである。
ヘッドフォンで聴いていただければわかるが、
深紅が廊下を歩いている時のムービーシーンなどは効果音の出来も
相まってあたかもそこで歩いているように感じてもらえるだろう。
またサウンドの演出面ではディレクターのゲームに対する世界感に
迷いがなかったのだろう。

ほぼディレクター主動で音付け作業を進めることが出来た。
和風ホラーというとどうしても「和」の素材を多用しがちになるが、
どちらかというと最近のホラー系映画のようにサブリミナル的に
一瞬間「和」を感じさせるようにし、
あとはユーザーに恐怖を感じてもらえる「間」をつくるように
努力したつもりだ。
何にしろ「零(ZERO)」ほど、実際にやってもらわないとわからない
ゲームは無いと私は思っている。

是非この「肌触り」感を味わって欲しい...。  


奥田重清 (サウンド班)