白と黒

このゲームにおいてタイトルに掲げている二つのカラーは
かなり重要な役目を果たしている。
白は光り=希望。
そして黒は闇=恐怖
というコンセプトの下画面作りをしたからだ。

開発当初、画面中における黒(すなわち闇)の部分と
ほのかに 明るい光の部分の調整に
かなりの時間を費やした。
明るすぎるとプレイヤーに安心感を与えてしまうし、
逆に暗すぎても プレイしにくいだろうということで、
そのバランス取りにはかなりの気をつかった。

最初はただ暗くすればいいのでは?と思っていたが
正直それでは
ディレクターから求められた闇にはならなかったし
実際恐くもなかった。

背景モデル、キャラモデルのマテリアル値を
細かく調整し、それに伴いテクスチャの影の入れ方や
彩度の持たせ方をいじるなどして何度も
闇となる部分がいかに効果的に現れるのかを検証した。

最終的には意図的な暗さや不安を仰ぐ闇を作り出し
これにより当初イメージしていた
深紅が照らし出す懐中電灯の灯りが唯一の
かすかな希望の白と
それを囲む闇の部分が得体のしれない
何かが潜んでいそうな恐怖の黒という表現を
クリアし明暗のバランス取りに成功した。


ゲームをプレイして気にせずに過ぎ去ってしまう
廊下の隅の闇にも目には映らない何かかが
潜んでいるかもしれません。

じっくりとこのコントラスト・ホラーを楽しんで下さい。



長谷川 仁 (CG班)