コラムアルゴス: 第6回 モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ
「この曲は弾いていて楽しいよ!」オーケストラの楽団員の一人は、熱っぽい口調で語った。周りの楽団員たちは、賛同するように各々の楽器をにぎやかに鳴らした。『アルゴスの戦士』ではゲーム内の曲を、70人以上からなるフルオーケストラでレコーディングした。演奏を担当したのは「モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラ」。誕生して10年余りの若い楽団である。
レコーディング風景
レコーディングは大所帯がゆったり入れる、広いスタジオで行われた。各パートを別々にレコーディングするのではなく、全員が一斉に演奏する「一発録り」にしたのは、開発スタッフのこだわりと言える。オーケストラがもたらす臨場感が、ゲームにいっそうの活力を与えると判断したからである。
指揮者との打ち合わせ
限られた時間のなかで高いクオリティーを求めた結果、自ずとレコーディングは体力勝負となった。こだわるスタッフからの、度重なるリテイクの要求。それに答えるように若い楽団のエネルギーは、高い水準の演奏へと昇華した。
熱の入る演奏

こうしてレコーディングされた楽曲は、アルバムにもまとめられている。ゲームとほぼ同時発売されたアルバム『交響詩アルゴスの戦士〜オリジナルサウンドトラック』である。各方面で高い評価を得ている『アルゴスの戦士』のサウンドは、こうして生まれたのである。

2003/2/4