コラムアルゴス: 第3回 『アルゴスの戦士』の世界観の構築
プレイステーション2版『アルゴスの戦士』のプロトタイプヴァージョンが開発されたとき、すでにステージは「夕日が差し込むコロッセオ」と決まっていた。

このゲームの世界観は、古代ギリシャ、古代ローマを舞台に、ファンタジックな味付けで新しく構築されていったものである。

こちらは製品版の画像
ステージデザインを行うにあたっては、実際に現地取材が行われた。ギリシャ、ローマ、クレタ島などを強行スケジュールで周り、時には崖から落ちそうになりながら、資料用の写真撮影や資料集めが行われた。

そうして命がけで集められた素材は「アルゴス特製素材集」としてまとめられ、制作に活用された。これら素材や、取材による経験が、「アルゴス」の世界を構築するにあたり、大いに役立ったことはいうまでもない。

撮影された風景

いっぽう現実には存在しないステージの担当者は、自らのイマジネーションを駆使して世界観を築いていった。
『アルゴスの戦士』では、前半のステージは闘技場や神殿など比較的リアルな世界観になっているが、後半になるにしたがってファンタジー色が濃厚になってくる。彼らは前半の雰囲気を保ちながらも、現実には実現不可能な構造、規模のステージをフィールド上に創り、組み上げていったのだ。

綿密な取材とイマジネーションの翼、この二つがアルゴスの世界を支えているのである。


浮遊する庭園アルカディア
2003/1/14